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2004年11月17日東京シュタイナーシューレ「土笛作りのワークショップ」
土笛作りのワークショップ

気温こそ10℃前後と少しひんやりとしているものの、晴天に恵まれた今回のワークショップでは、前回(10月20日)に制作した土笛を焼く作業を、校舎に隣接した自然豊かな校庭で行った。
レポート/撮影:竹森千早

宇々地氏が到着すると生徒たちは楽しそうに迎えてくれた。

今回はゲストに巫女舞の福田弥生さん、ダンサーのRuricoさんの2名が加わった。

以前校庭に建てられていた竪穴式住居が撤去されており、残された30センチほどの深さの穴の中にワラを敷き、おがくずを乗せる。生徒たちは、自分たちの手で制作した土器や笛を大切そうにそこへ並べる。 さらにその上に拾い集めた小枝をかぶせ、焼く準備は整った。

みながファイアーマン(火付け役)になりたがったので、先生が何人か指名した。選ばれた生徒により点火され、最初は小さかった火が段々と燃え広がってきた。燃え上がる炎とともに弥生さんの土鈴、Ruricoさんの太鼓、そして宇々地氏の演奏が始まった。

焼き上がって火が消えると、生徒たちは、自分の制作した土器が割れていないか、心配そうにそれぞれの土笛をワラやおがくずの中から取り出した。土器は相当熱くなっており、軍手の上からも熱が伝わってきた。


取り出した笛や土器は、ひとつも割れたりかけたりすることなく焼き上がっていた。生徒たちが自分たちの手で土を練り、形をつくり、火を入れた笛が、みごとに出来上がった。

生徒たちが自分の笛を演奏する前に、宇々地氏は呼吸法を行った。

深呼吸のあと、あたりが静まり返ると、宇々地氏が話を始める。

宇々地氏はまず、前回と同じ質問を生徒たちになげかけた。

「今、何の音が聞こえますか?」

宇々地氏のレクチャーの意図は、生徒たちに自然界の音や他の人の音を聴くことの大切さを体験してもらい、また音を出すことは音を聴くことであるということを理解してもらうということだった。

ひととおりレクチャーが終わると、新しいワラとおがくずが穴に入れられ、再び点火された。

あたたかな火が燃え上がると、弥生さんやRuricoさんの鈴と太鼓、子供たちと宇々地氏の笛などが自由に演奏され、さながら縄文時代の祭りのような場面が演じられた。

今回も最後に、「音楽はすばらしい」という内容の歌を、みんなで歌ってくれた。そこに宇々地氏の笛の音でセッションとなり、この2回に渡る土笛のワークショップ は終わった。

生徒たちは、「また来てねー」と、なかなか帰してくれず、宇々地氏もその場から去りがたかったようだ。
下焼きをしてある状態の土笛(右)
竪穴式住居が撤去された跡(下)
土器の上に小枝を乗せる(上)
子供たちが藁に火をつける(左)
焼かれる土器
焼き上がった土器
赤々と燃える火(上)
土器が焼き上がった(左)


弥生さん(左)、宇々地氏(中央)、Ruricoさん(右)


生徒たちの合唱と、宇々地氏の笛、弥生さんの鈴、Ruricoさんの太鼓によるセッション

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